ハイスクールラボラトリーでは、総合的な探究の時間のカリキュラム設計・運営、教科学習の授業開発、学びのつまずきへの個別支援に取り組んできました。
ここでは、これまでの主な実践事例を紹介します。
総合的な探究の時間のカリキュラム設計・運営
高等学校や通信制サポート校において、総合的な探究の時間のカリキュラム設計・運営に関わってきました。
年間計画の作成、授業内容の設計、ワークシート作成、発表活動の設計、振り返り活動の設計、進路指導との接続などを、学校の目標や生徒の実態に合わせて行っています。
総合的な探究の時間では、生徒にどのような探究を求めるかによって、必要となる支援が大きく変わります。文献を調べる力を重視するのか、社会参画を重視するのか、自己理解や進路との接続を重視するのかによって、カリキュラムの組み立て方も変わります。
ハイスクールラボラトリーでは、「何のために探究を行うのか」を学校ごとに整理しながら、実践可能なカリキュラムを設計しています。
また、生徒によって文章を読むことへの抵抗感や、扱える資料の難易度は異なります。そのため、探究における文献検索や情報収集の場面では、生徒の状況に応じて使用する情報源を段階的に分けています。たとえば、文章を読むことへの抵抗感が強い生徒には、WEBニュース記事など比較的読みやすい資料から情報収集を始めます。文章を読むことにある程度慣れている生徒には、J-STAGEでの論文検索や県内図書館の蔵書検索を支援します。英語資料にも抵抗が少ない生徒には、Google Scholarを用いた英語論文検索にも取り組めるよう支援しています。
通信制サポート校では、生徒の能力や関心、学びたいことが多様であることを踏まえ、従来の学問探究だけではなく、プロジェクト型の活動や自己成長を目的とした活動も選べるようにカリキュラムを設計しました。生徒の希望や状況に応じて、学問探究、自己成長、プロジェクト型の活動を柔軟に行き来できるようにし、一人ひとりの学びたいことに合わせた探究の形をつくっています。
関わってきた学校・教育機関には、聖霊高等学校、岡崎城西高等学校、第一学院高等学校などがあります。
教科学習の授業開発・学習方略支援
高等学校「公共」を中心に、教科学習の授業開発や、学習方略を身につけるための授業実践に取り組んできました。
教科学習では、知識をただ覚えるだけでなく、現実社会の課題と結びつけながら考えたり、自分の意見を根拠とともに表現したりすることが重要です。また、生徒が学習内容を理解し、記憶し、使えるようにするためには、効果的な学習方法を身につけることも必要です。
ハイスクールラボラトリーでは、教科内容と社会的な論点をつなぐ授業や、生徒同士が学習方法を学び合う授業を開発・実践しています。
共同親権をテーマとした「公共」の授業
高等学校「公共」において、共同親権をテーマとした授業を開発・実践しました。
授業では、当事者の声や権利獲得に向けた活動に触れた上で、生徒自身が感じたことや考えたことを文章にまとめました。その後、共同親権の導入に関わる複数の新聞記事を読み、賛否を踏まえながら400字程度で自分の意見を書く活動を行いました。
社会的な論点について単に知識を得るだけでなく、複数の立場を踏まえて考え、自分の意見を根拠とともに表現することを重視した授業です。
学習方略を学び合う授業
高等学校「公共」の授業では、テスト返却後に、生徒たちがどのような学び方をしていたのかを共有し合う授業を行いました。
成績が伸びなかった生徒が「こうすればよかった」と振り返った内容と、実際に高得点を取った生徒が行っていた学習方法には、多くの共通点が見られました。
そこで、生徒同士の具体的な学習方法をもとに、クラス全体でよりよい学習方法を学び合う授業を実施しました。
この授業では、学習方略に関する知識を、教師から一方的に伝えるのではなく、身近な友人の学習事例をもとに学ぶことを重視しました。
教員・保護者向けワークショップ
小学校の先生方・保護者の方を対象に、学習意欲や学習方法に関するワークショップを実施しました。
犬山市立北小学校では、PTA主催のワークショップとして、「小学生から身につけたい学びのスキル」をテーマに、保護者の方と学校の先生方に向けてお話ししました。
ワークショップでは、子どもが学習に取り組む理由・取り組まない理由について、期待価値理論をもとに整理しました。その上で、子どもが「解ける」と感じられることの重要性や、学習につまずきがある子どもに対して段階的な支援を行う必要性について扱いました。
また、理解度判断の不正確さ、英単語の綴りと音の関係、算数の文章題における立式の説明、社会の出来事を原因や結果と関連づけて記憶することなど、子どもの頭の使い方に関わる内容も取り上げました。
研究知見を紹介するだけでなく、家庭や学校でどのような支援ができるかを考える機会として実施しました。
学びのつまずきへの個別支援
読む、書く、計算する、覚える、考えを整理するなど、基礎的な学習に困難を抱える児童生徒への個別支援にも取り組んでいます。
学習上の困りごとは、本人の努力不足だけで説明できるものではありません。どの段階でつまずいているのか、どのような教材や方法であれば学びやすいのかを整理しながら、一人ひとりに合った支援を行います。
たとえば、大きな数の読み取り、分数や小数の理解、四則計算、英単語の文字と音の対応、漢字を書くこと、語彙理解、読解、復習方法などに関する支援を行っています。